れもブロ!

アルバムが発売されましたので作者が楽曲をちょっと解説します。

どうも、齋藤アユムです。

すんませんね、2回連続で私の記事が告知になってしまいました(だって順番的にそうなっちゃうんだもの)

 

というわけで、我々Lemon Jamは『レモン風味』というアルバムをリリースしました。

 

告知だけだと寂しいので何となく楽曲解説でもします。

歌詞は私が作ったものは解説したいと思いますが、それ以外はメンバーにおまかせでやってもらってる部分が多いので解説はしません。間違って変なこと書いたらまずいじゃん?

 

 とはいっても、音楽レビュー雑誌にありがちな「静寂の中で突如として現れるギターがまるで雷鳴のように鳴り響き…」みたいなふんわりした合ってるのか合ってないのか分からない文章を書いても仕方がないので、作った人視点の解説をしてみたいと思います。

 

全曲Bandcampで視聴できるので良かったら聴きながら読んでみてください。

 

lemonjam.bandcamp.com

 

 

1. パレードちゃんレモンワールド

作詞:サマーカミングおばさん、作曲、演奏は齋藤アユムです。(以下全て作曲は私なので割愛します)

サマカミさんは作詞だけじゃなくてボーカルも担当してもらってます。

サマーカミングおばさんは元レモジャのメンバーですが色々あって今は脱退しました。とはいえ今でも彼女とは仲良くやっております。ミュージックビデオの撮影も手伝ってもらっています。

メジャーレーベルのバンドばかりを聴いている人にはちょっと想像できないかもしれませんが、インディーズバンドはメンバーチェンジが激しいです。特に僕達みたいな結成1年も経っていないようなバンドはメンバーが安定するまで時間を要します。音源を発売することなく解散するバンドも沢山います。

 

僕らに限って言えば、これ以上のメンバーチェンジはしないでしょう。2人のユニットでメンバーチェンジしたらそれはもう他のユニットですからね。

 

さてこの曲、ジャンルとしては何なんでしょうね。電波ソング

リファレンスとしてアイドルの楽曲を沢山と、アニソンを数曲聴きました。

 

実はこの曲、一番最初に落ちサビ前のコーラス(クワイヤ)がいっぱい入ってる所が最初にできました。しかもよく聞くとボーカルでカウンターメロディー入ってます。多分作ってる時に自分の中でそういうのが流行ってたんです。自分の曲は個人的流行みたいなものがよく盛り込まれています。

このセクション、始めは使い所に困ったんですが、割りと上手くハマってるんじゃないでしょうか。そうだと願いたい。

 

イントロのシンセリフですが、実はシンセ3本に加えてギターで同じフレーズを弾いてます。聴いてもわからなくらいの音量で鳴ってます。こうすることでアタック感が出るので聴いていて気持ちよくなる気がします。

また、音程は違いますが同じリズムパターンのシンセがサビでも鳴っています。こうすることで耳に残りやすくなるんじゃないですかね?

 

またよく聴いてもらうとわかりますが、Aメロで同主調のマイナーに転調しています。そのまま転調すると違和感が凄いのでシンセリフの最後にマイナースケールで降下して違和感を和らげています。ジャパリパークを聴いてたので多分それの影響です。

 

特筆すべきは最後のサビの後半でBメロの伴奏を持ってきていることでしょうか。

上に乗っているボーカルのメロディは全く違うので気付かないかもしれませんが。

実際メンバーも最初気付いてなかったです。作り手の拘りは大体伝わりません。

 

2. 嫌な生活

作詞はタケコシモモミです。レモジャはタイトルを僕が付けて、それにあった歌詞をモモミちゃんが考えてくるパターンの曲がいくつかあるんですが、これもそれに該当します。「嫌な生活」というタイトルはぎっくり腰で生活の全てに支障が出ていた時に思いつきました。私が作詞してたらぎっくり腰の曲になっていたところです。危ない危ない。

 

この曲を作ったきっかけとしてはサビでスネアをパンパンパンパン鳴っている曲を体が欲していたのでスネアをパンパンするリズムパターンを作って、その上にコードを載せたら出来ました。随分適当に感じるかもしれませんが、音楽は大体こういう適当なきっかけで出来ます。

 

ジャンルとしては所謂「邦楽ロック」っぽいですね。

これを作ったときは何故かかなり調子がよくて3時間ぐらいで完成しました。キメキメで楽しい曲です。ギターソロはいつものごとく手癖のワンテイクで完成しました。

毎回こういうことやってるからライブで再現するときに困るんです。反省します。

 

裏話としては、最後のサビ後半にある「それまではちゃんと…」の部分は実は全く違うメロディだったんですが、凄く歌いにくいリズムだったのでレコーディング当日に今のメロディに変更しました。

 

3. 今夜が最後の夜だから

作詞は珍しく私です。

個人的に作詞に対して苦手意識があるんですが、この曲の詞は結構評判がいいです。

歌詞の内容は「男女の別れ」って感じですね。

ちなみに2番のAメロにある「路地裏の野良猫たちが密かに愛を語り合う」という歌詞の出て来る「猫」はシンガーソングライター前野健太氏の影響です。

詳しく言うと彼の3枚目のアルバム『ファックミー』に入っている『ヒマだから』という曲の歌詞に出てくるのと同じ猫を想像(想定?)しています。

 

www.youtube.com

この動画で言う所の3:14以降に出てくる猫です。

歌詞でいうと

おっさんしか友達のいない ふりをする やさしい猫

という所。

恐らく見ていらっしゃらないと思いますが、この場を借りて前野健太氏にお礼申し上げます。

 

実は僕、前野健太氏や故・加地等氏(そこから派生して大森靖子氏も)等のジャパニーズフォーク・ロックが大好きです。いつかは私もそんな曲を作って皆さんにお聴かせできたらな、と思います。

 

さて、話が逸れてしまいましたので元に戻します。

曲についてですが、歌詞を聴かせたかたったので伴奏自体は淡々としたものにしました。

ジャンル的にはシティポップとチルアウト系のヒップホップの間の子的なイメージで作っています。

リズムトラックは「JERSEY CLUB」系のサンプルが主です。

 

 

4. オセロ

前半の解説が長くなってしまったのでここからはスピードアップ。

 

この曲も作詞は私です。

歌詞の内容は詳しく解説してしまうとつまらないので伏せますが、結構ちゃんと練って作りました。

ホーンセクションは1パートずつ打ち込んでいます。めんどくさかった。

音源のギターとピアノのソロは私が弾いてます。私はピアニストじゃないので聴く人が聴けばピアノ下手っぴなのがバレてしまいます。すみません、許してください。制作費が足りないんです。

 

ちなみにYouTubeにはじめて投稿したミュージックビデオの曲です。

www.youtube.com

 

 

今見ると映像のクオリティがひどい。

YouTubeアクセス解析ツールがあるんですが結構高性能で、「見てくれた人がどこでブラウザバックしたか」が分かる機能があります。それを観てみるとソロになった途端に脱落者が増えていて笑ってしまいました。

楽器が下手なのかソロが嫌いなのか分かりませんがきっと前者でしょう。頑張ります。

 

5. もう、さようなら。

作詞はタケコシモモミ。

意外と自分の中で一番気に入ってる曲です。

コード進行がものすごく簡単で、基本「Ⅳ→Ⅲ→Ⅱ→Ⅲ」の循環コードです。

その分アレンジを作り込んでいて、手を変え品を変えって感じで飽きないようにしました。

聴きどころ(と私が思っている)のがまず、随所に散りばめられたリバースキック。結構色んな所で使われているテクニックですがやっぱりテンションあがる。

冒頭のリフに入る直前で鳴っている低音の「ッッヌン!!」って感じのやつです。

 

あとは2番のAメロの前半部分もどうでしょうか。我ながら可愛くできたと思います。可愛いものは大体おっさんが作っている。

 

そうそう落ちサビの伴奏なんですが、実はBメロとほとんど同じなんですよ。

先程も書きましたが基本「Ⅳ→Ⅲ→Ⅱ→Ⅲ」で作っているので、伴奏を他の部分と差し替えても成立するんです。

 

6. 24時13分

作詞はタケコシモモミ。

出来たのが結構前なので作った時に何を考えていたのかほぼ忘れてしまいました。

聴いてみると最近の曲の方がかなりサウンド的なクオリティが高いですね。

 

一瞬アレンジし直すことも考えたんですが、やっぱり「その時にしか作れない音楽」みたいなものがあると思うのでやめました。

思い出せる限りだと、最も工夫したのは1番のサビだと思います。

すごい盛り上がりそうなドラムのフィルから、実は盛り上がらなかった!ってのがやりたかったんじゃないでしょうか。安直。

 

 

おわりに

長々と申し訳ありません。ここまでたどり着いたあなたは相当なツワモノです。感謝します。

さて、今回は初めてのアルバム制作だったので分からないことも多く、またメンバーの脱退やバンド運営上の困難もあったりと、一時期は出すこと自体を諦めかけましたが、何とかこうしてリリースすることができました。

こういった問題を乗り越えることができたのは様々な方からアドバイスを貰うことができたからです。非常に勉強になりました。ありがとうございます。

 

またこうしてブログを読んでくれたり、曲を聴いてくれたりした方たちにも非常に感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。

 

そして今まで一緒にやってきてくれたモモミちゃん、ありがとう。これからもヨロシク。

 

ですが、こういったことは私たちに限ったことではなく、全てのミュージシャンたちがこういったハードルを乗り越えてライブなり音源制作なりをしているわけです。

音楽は魔法ではないかもしれませんが、奇跡みたいなものであることは確かです。

僕らが普段聴いている音楽は、そんな危ういものの上に成り立っていることを再確認できました。

 

なんかちょっと堅苦しくなってしまいましたが、そんなこんなで終わります。

 

じゃあまた。

 

筆者: 齋藤アユム